2018年2月13日火曜日

ルワンダ大虐殺およびブルンジ大虐殺で駆使された「プロパガンダに信憑性を持たせる」手法2つ 

連載ルワンダ史 第13回〈フツ・パワー〉 《フツ至上主義》

https://web.archive.org/web/20080129092108/ttp://rwanda.hp.infoseek.co.jp/about_history13.html

http://www.asyura2.com/0601/senkyo22/msg/662.html 


プロパガンダに信憑性を植え付ける手法についても触れておく。

ブタレ県で見つかった文書「支持者拡大のプロパガンダについての比較覚書」では、プロパガンダで大衆を操る方法が検討されている。この文書のなかで著者は、プロパガンダの理念について述べたあと、2つの具体的テクニックを提案している。

1つ目が出来事の「創作」である。これは単純なテクニックで、プロパガンダに信憑性を与えるような出来事をでっちあげて、各メディアで伝えるのだ。 RPF侵攻直後のキガリでの銃撃戦がそのわかりやすい一例である。他にも、武器やラジオ通信機の発見、荷物を抱えたよそ者の目撃談、殺害計画書の存在などがまことしやかに報告される。

2つ目は「鏡像の告発」と名づけられているテクニックである。これは自らが行おうとしている行動をもとに、敵を非難する手法を指す。例えば、フツ至上主義者がこれから虐殺を行うつもりの場合は、ツチの虐殺計画が見つかったと発表する。文書の言葉を使えば、これにより「テロを行っている集団が、敵はテロを行っていると非難できるようになる」。このテクニックはまた、自衛というレトリックを持ち出すのにも好都合である。こうしたテクニックを用いることで、プロパガンダの内容はフツの一般市民に浸透していった。



《備考》

☆ルワンダ虐殺 ~ メディア・プロパガンダ

https://goo.gl/gama9k

ルワンダ虐殺当時、ルワンダ国民の識字率は50%台であり、政府が国民にメッセージを配信する手段としてラジオは重要な役割を果たした。ルワンダの内戦勃発以降からルワンダ虐殺の期間において、ツチへの暴力を煽動する鍵となったラジオ局はラジオ・ルワンダとミルコリンヌ自由ラジオ・テレビジョン (RTLM) の2局であった。

ラジオ・ルワンダは、1992年3月に首都キガリの南部都市、ブゲセラ (Bugesera) に住むツチの虐殺に関して、ツチ殺害の直接的な推奨を最初に行ったラジオとして知られている。同局は、コミューンの長であったフィデール・ルワンブカや副知事であったセカギラ・フォスタンら反ツチの地方公務員が主導する「ブゲセラのフツはツチから攻撃を受けるだろう」という警告を繰り返し報道した。

この社会的に高い地位にある人物らによるメッセージは、フツに"先制攻撃することによって我が身を守る必要がある"ことを納得させ、その結果として兵士に率いられたフツ市民やインテラハムウェのメンバーにより、ブゲセラに暮らすツチが襲撃され、数百人が殺害された。

また、1993年の暮れにミルコリンヌ自由ラジオ・テレビジョンは、フツ出身のブルンジのメルシオル・ンダダイエ大統領の暗殺事件についてツチの残虐性を強調する扇情的な報道を行い、さらにンダダイエ大統領は殺害される前に性器を切り落とされるなどの拷問を受けていたとの虚偽報道を行った(この報道は、植民地時代以前におけるツチの王の一部が、打ち負かした敵対部族の支配者を去勢したという歴史的事実が背景にある)。

さらに、1993年10月下旬からのミルコリンヌ自由ラジオ・テレビジョンは「フツとツチ間の固有の違い、ツチはルワンダの外部に起源を持つこと、ツチの富と力の配分の不均一、過去のツチ統治時代の恐怖」などを強調し、フツ過激派の出版物に基づく話題を繰り返し報道した。また、「ツチの陰謀や攻撃を警戒する必要があり、フツはツチによる攻撃から身を守るために備えるべきである」との見解を幾度も報じた。

1994年4月6日以降、当局がフツ過激派を煽り、虐殺を指揮するために両ラジオ局を利用した。特に、虐殺当初の頃に殺害への抵抗が大きかった地域で重点的に用いられた。この2つのラジオ局はルワンダ虐殺時に、フツ系市民を煽動、動員し、殺害の指示を与える目的で使用されたことが知られている。

上記に加え、ミルコリンヌ自由ラジオ・テレビジョンは、ツチ系難民を主体としたルワンダ愛国戦線のゲリラを、ルワンダ語でゴキブリを意味するイニェンジ (inyenzi) の語で呼び、同ゲリラが市民の服装を着て戦闘地域から逃れる人々に混ざることに特に注意を促していた。

これらの放送は、全てのツチがルワンダ愛国戦線による政府への武力闘争を支持しているかのような印象を与えた。

(略)

ミルコリンヌ自由ラジオ・テレビジョンは、堅苦しい国営放送のラジオ・ルワンダと異なり、若者向けの音楽を用いた煽動にも力を入れていた。シモン・ビキンディによるフツの結束を訴えた曲、『こんなフツ族は嫌い』が代表的な作品として知られている。

同様のメディア・プロパガンダにより、隣国のブルンジでも1993年10月21日にツチ系の民族進歩連合に所属するフツのフランソワ・ンゲゼ率いるツチ中心の軍部によるクーデターでフツのンダダイエ大統領が暗殺された。

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